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【カタログ値だけじゃわからない】クルマの「小回り性能」は何で決まる?

【カタログ値だけじゃわからない】クルマの「小回り性能」は何で決まる?

最小回転半径数値だけでなくオーバーハングも影響

 日本のような狭い道が多いところでは、小回りが利く・利かないは、大事な性能。小回りに一番影響するのは、操舵輪の切れ角、それからホイールベース、オーバーハングもけっこう重要だ。

 操舵輪、通常フロントタイヤの切れ角が大きければ大きいほど、小回りは得意になる。FFや4WDだと、フロントにもドライブシャフトが通る関係で、どうしても操舵輪の切れ角は大きく取れないため、ボディサイズの割に、最小回転半径は大きくなる傾向がある。

 ホイールベースもできるだけ短いほうが小回りが利く。その代わり、ボディの全長が同じなら、ホイールベースが長い方が室内空間は広く取れるし、直進安定性もよくなる。 オーバーハングは、車軸より前・後ろの出っ張りの部分のことだ。

 自動車メーカーのカタログに書いてある最小回転半径の数字は、クルマの前輪外側のタイヤが回れる半径のことなので、このオーバーハングのことは考慮されていない。しかし、実生活で小回りが利く・利かないというのは、当然ボディ先端のハナシなので、オーバーハングの長短は非常に大事。

 メルセデス・ベンツなどは、車体が大きい割に小回りが利くのは、ホイールベースが長くても、操舵輪の切れ角がかなり大きくて、オーバーハングが短いからだ。BMWもオーバーハングを切り詰めるのが好きなメーカーのひとつ。

 数字でいうと、カタログの最小回転半径(なんだかんだで一番目安になる)が、5メートル以下なら、小回りが利くクルマといえるだろう(例:デミオが4.9メートル。レクサスRCとCTが5.0メートル)。スマートフォーツーなどは、3.3メートルとかなり極端な例。

 普通車なら、5.5メートル以下ならまずまず優秀(例:BRZが5.4メートル。レヴォーグが5.5メートル)。6メートル近くになると、日本ではちょっと取扱いに苦労すると覚悟しておいた方がいいだろう(新型NSXが5.9メートル)。

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