正しいポジションは長時間のドライブでも疲れにくい
武道やスポーツの世界では、「構えを見れば、その人の実力はわかる」といわれているが、ドライビングにおいては、けっこうアバウトかつ安易にドライビングポジションを決めている人も多いのではなかろうか。
レースの世界では、シート合せからセッティングがはじまるし、スキーやバレエの選手もブーツやシューズのフィッティングに余念がない。
そういう意味で、一般ドライバーももう少し、ドライビングポジションにこだわってもいいと思う。正しいドライビングポジションのキモは、ずばりシートバックの角度にある。
ドライバーこそ、クルマの司令塔なので、まずは身体の軸をまっすぐに、とくに首がニュートラルな位置で、目線が水平を保てるようにするのがポイント。
まずはできるだけシートに奥深く腰かけ、腰背部や仙骨のあたりに隙間ができないよう座る。浅く腰かけてしまうと、腰のホールド性が弱く、上半身の軸(脊椎)が、前後左右のGでぶれることになるからだ。背骨や首ができるだけ垂直を保てるポジションとなると、シートバックは、基本的に立て気味になる。
具体的には強めにブレーキをかけたときに、上半身がステアリングに覆いかぶさりそうになるのなら、シートバックが立ち過ぎなので、少し角度を寝かしてみる。逆に加速で首が後ろに反りそうになるならシートバックを少し起こす。
1時間や2時間のドライブで首に疲労を感じたり、肩が凝ってくるようならば、それはドラポジに問題があると思った方がいい。また、首が反っていたり、妙に顎を引いたポジションも、呼吸を妨げ、緊張しやすく、疲れやすい。