【輸入vs国産】200万円級コンパクトカー比較テスト (3/4ページ)


高速同様500とキャストがワインディングで楽しい!

 次なる走行シーンは一般道と山道。ここで際立ったのがフィアット500。市街地では視界、小まわり性のよさでストレスない走りを披露。セミATは出足、加速時に多少慣れが必要だが、以前より確実に制御がよくなっていた。サスはよく動き、荒れた路面、段差越えでのショックも軽微。

 しかしそれ以上に感動したのが山道での走りの楽しさと安定感の高さ。エンジンレスポンスは穏やかだが、路面に張り付くようなフットワークは絶品! だから山道の下りはじつに楽しく痛快そのものだった。

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 スマートフォーフォーは市街地でこそストローク感、重厚感あるゆったりした乗り心地が好ましく、DCTの賢い制御に満足できるものの、山道では楽しめない。姿勢変化が大きめでクルマの動き全体がスローだからだ。得意なのは市街地と高速走行である。


パッソも同様で、路面が荒れた山道でも乗り心地はそこそこいいものの、アクセル、ステアリングレスポンスが穏やかすぎてキビキビ痛快な走りとは無縁。

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 N‒ONEにしても山道では乗り心地重視の足の柔らかさが目立ち、姿勢変化が大きくカーブで前輪が外側にふくらみやすい傾向がある。


その点、山道をカッ飛ぶキャストスポーツは水を得た魚。今回の5台中、唯一パドルシフトを装備し、リニアでトルキーにまわる3気筒ターボエンジン、抜群の安定感をみせるフットワークテイストが際立つ。痛快にして安心・安定感高い山道走行を楽しませてくれたのだ。

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走りの面での結論として、5車ともに市街地、ゆったりした高速走行では十二分な性能を持ち合わせる。燃費性能ならパッソだ。デザイン性、山道を含む走りの楽しさで圧倒するのは間違いなくフィアット500、次いでキャストスポーツだろう。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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