部品点数が少なく荷室や室内の自由度が高い
今、街で見かける乗用車の大半はFFレイアウトで、その他の駆動方式はかなり少数派。FFがあまりにも多いので、そのほかのクルマは、わざわざFR、MR、RRとその特徴を強調するほど。もうひとつ、4WDもあるが、4WDもFFベースがほとんどで、駆動方式に関してはFF抜きには考えられないほど席巻している。
なぜ、ここまでFFだらけになったのか? FFの利点は、室内スペースが大きくとれて、トランクスペースも広くできること。そしてプロペラシャフトなどがいらない分、部品点数が少なくて済み、車体を軽くすることができる。
同じような利点が、RRにも当てはまりそうだが、RRではデザイン的にも機能的にもトランクスペースが広く取れず、冷却面にも難があり、直進安定性も得意ではない。乗用車にとって直進安定性は非常に重要な性能で、これもFFが主流になった大きな理由のひとつといえる。
FFが台頭してきたのは、なんといっても、1959年にミニが登場したのがきっかけ。ミニの設計者、アレック・イシゴニスは、エンジン横置きのFFレイアウトで、小さなボデイに大人が4人も乗れるスペースを作り出して、自動車史を変えた。
その後、フィアット128が横置きエンジン・横置きミッションを実用化し、現在のFFレイアウトのベースが完成。さらに傑作車、VWゴルフのヒットで、本格的なFF時代が到来する。