最近のアルミ技術は重量と剛性の面でRTMカーボンに劣らない
スーパーカーというのは超絶なクルマのこと。普通のクルマのモノサシでは計れない特別なクルマです。その世界に登場した新型ホンダNSXですが、3モーターのハイブリッドシステムやトルクベクタリングなど、スーパーなメカニズムが盛り込まれています。性能も当然スーパーです。
でもボディはアルミのスペースフレーム構造で、カーボンモノコックは採用されませんでした。最新のスーパーカーなのに、カーボンを採用しなかった理由はどうしてなのでしょうか?
カーボンというのはレーシングマシンなどに使われているように、軽量で剛性が高く、ボディ骨格に使えば安全性も高くなります。
ただし最近の市販車に採用されるのはレーシングマシンのようなドライカーボンではなく、RTMという製法によるもので、剛性は高くないもののとても安価で、精度が高くなっています。MP4/12C以降のマクラーレンも、レクサスLFAも、みんなRTMのカーボンが採用されています。
対してアルミは、初代NSXが採用していたことでも知られています。スチールよりは軽量で、しかも柔らかい素材なので複雑な部品を一体化して制作することもできます。
アルミについても年々加工技術は進化していて、より効率的な設計が行えるようになっています。現在は、重量と剛性のバランスでいえば、RTMのカーボンと大差ないレベルにあるといわれています。つまりアルミはカーボンに対して、価格面で有利だということになります。
ホンダに問い合わせたところ「重量や価格などを総合的に判断して」アルミボディを採用したということです。