ホームグランプリも決勝は16位と18位!
予選15位と17位、ジェンソン・バトンは、パワーユニットのパーツ交換で35グリッドダウンの結果、最後尾からスタートした。
上り調子になってきていた夏休み後の状況から、鈴鹿の活躍にも期待していたけれど、フェルナンド・アロンソのスタート・ダッシュも不発。下位に埋もれたまま、53周が終わった。
長谷川祐介F1プロジェクト総責任者は、夕闇が迫るレース後の18時30分から、撤収作業が始まった鈴鹿サーキットのパドック端のホンダF1レーシングの小さな部屋で会見を開き、「グリップが足らず、ストラテジーも決まらなかった」と渋い顔でコメントした。
今シーズンからホンダのF1プロジェクト総責任者に就任した長谷川F1プロジェクト総責任者は、モーターレーシングの機微を深く理解し、真摯で正直なコメントでホンダF1レーシングの活動を伝えていたが、今回ばかりは笑顔がなかった。
「シミュレーションの段階では、トップ10くらいには入れるかと。戦略的にはあとからなんとでもいえますが、ストラテジーがうまくはまらなかったということです」というのがレース後の長谷川F1プロジェクト総責任者の戦評だった。
現在は、F1に限らずシミュレーション技術が進化し、事前にそれぞれのコースを想定したシミュレーションが行なわれるのが常識。鈴鹿でも当然、予選やレースを想定したシミュレーションを行なっていたが、マクラーレン・ホンダはそのシミュレーションより遅かったという。
そして、マレーシアの22番手から10番手という奇跡的な例外を含めて、ここ5戦でスタート後の1周でポジションを合計29グリッドも上げているアロンソのスタートも、1台も抜けない、という踏んだり蹴ったりの状況だった。
アロンソは、「16位と18位でフィニッシュするなんて悪い意味で驚きだし、とくにシンガポールでは7位、先週のマレーシアでは7位と9位だったから余計にね」と両手を広げ、「マレーシアと比較して、セットが決まらなかった」と続けた。