所有者の責任で必ず対策を実施すべき
自動車にはリコール制度がある。これは、設計や製造上の問題があったときに、自動車メーカーの判断により、国土交通省に事前届出をした上で回収・修理を行うというもの。
その種類としては、リコール、改善対策、サービスキャンペーンと3つがある。このなかでリコールというのは、道路運送車両法の保安基準に適合していない(適合しなくなるおそれがある)問題に対して改善措置を行なうものだ。
ちなみに、改善対策というのは保安基準に規定されていないが不具合発生時に保安上看過できない問題を指す言葉。サービスキャンペーンは、リコールと改善対策のいずれにも該当しないが設計・製造上の不具合を指す。
つまりリコールが出ている状態というのは保安基準を満たしていないことになる。クルマのカスタマイズなどで保安基準に適合していないと車検に通らない、つまり公道を走ることができないように、非常に重大な問題だ。なにしろ、リコールが出たものについては、対策をするまでは保安基準を満たしていないことになるのだ。
もちろん、リコール未対策だからといって、すぐさま走行禁止になるわけではないし、それが違法改造と同じ扱いになるわけではない。しかし、放置していいわけでもない。
実際には、リコールを未対策でも内容によって車検が通ることはあるが、リコール対策をしていない旨の書類を渡されるなど、リコール対策をするように喚起される。また、リコールの内容によっては、そのまま放置しておくと周囲に迷惑をかける可能性もある。
つまり、リコールはメーカーだけの責任ではなく、所有者の責任ともいえる。面倒くさいからといって実施せずにいてはいけないのだ。