パーツが帯電で失った性能を引き出す効果がある
トヨタが86マイナーチェンジのタイミングで発表したアルミテープは、インターネット媒体やSNSなどで取り上げられ空前の大ブームとなっている。
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ただしブームになると誤った情報も錯綜しがちで、貼っても効果がないとか、ちょっと考えにくいような効果について書いている文章を見かけるようになってきた。
このままでは、トヨタ製アルミテープもどこかのオカルトパーツと同じような扱いにされてしまうかもしれない。アルミテープについて正しい認識を持って装着すれば、非常に有効なアイテムなので間違った考えは排除して頂きたい。
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まず冒頭に述べたいのは、アルミテープは魔法のパーツではない。アルミテープを貼ったところで、86がRC Fみたいに速くなるわけではないのである。ではなぜ、トヨタがアルミテープを開発したのか、86のチーフエンジニアである多田哲哉さんに話を伺った。
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「そもそも、アルミテープは前期86を開発していた当時に誕生したものです。開発に至ったきっかけは、同じ仕様の試験車を何日も乗り続けていると、何も仕様変更をしていないのに、なぜか前日と印象が異なるということが何度かあったんです。原因を探っていくと、クルマが貯め込んでいる電気が悪さしているということがわかりました。
そこでこの電気を外へ排出する方法を考えました。それこそ最初はアンテナみたいなものをクルマに装着して試してみたり、ニュルも走ってテストしています。結果として、トヨタが発売したテープのようにエッジ面積が多いアルミテープが有効ということにたどりついたのです」
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つまり、クルマが電気を帯電していると、本来であれば得られる空力であるとか、フルード類に悪影響を得られるということのようだ。
効果的な場所にアルミテープを貼ることで、そこから放電効果があり、そのパーツがもっている本来の性能を引き出すことができるようになるという考え方なのである。そのパーツの性能以上のものが得られるわけではなく、アルミテープを貼ることでかぎりなくパーツの性能を100%に近付けてくれるということだ。
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