キャブレター時代には当たり前の儀式だった
エンジンを切る前に一度アクセルを吹かしてからキーをオフにする人を見かけるが、結論からいうとまったく意味はない。
レースを見に行くと、ピットのなかで、メカニックがレーシングカーのエンジンをかけて、いろいろ調整(暖気)したあと、「ブォォォォッォ~~、ウォン、ウォン」と、2~3回ブリッピング(レーシング)してから、エンジンを切る光景がときどきみられるが、あれは、高回転高負荷に特化したセッティングになっているレーシングエンジンならではの手順。
レーシングエンジンのプラグは、熱価も当然高いので、アイドリングのままエンジンを切ると、かぶり気味になり、再始動しづらくなる可能性があるからだ。
とくにキャブレター時代のエンジンは、高回転側にセッティングを振れば振るほど、アイドリング付近の燃焼は苦手になっていたので、市販車でもキャブレター時代のスポーツカーやチューニングカーでは、エンジンを切る前に一度アクセルを吹かしてエンジンを切るのが一般的だった。
今日でも、エンジンを切る前に一度吹かしている人は、その名残でやっている、もしくはその頃の世代の人の影響を受けて、やっていると思われる。