高性能エンジンは硬いオイルというのは昔の価値観
もちろんスポーツモデルのハイパワーターボ車では粘度の高い、硬いオイルを入れる必要があるが、R35のGT-Rでも0W-40とそれほど硬くない。オイルの技術は日々進化しているので、単純に硬いオイルでないと不安などというのは昔の価値観といってもいいだろう。
ちなみに高速運転を続けると、熱ダレを起こすからオイルの粘度も硬いのにしてやらないとダメという人がいるが、それは間違い。硬いほうが熱が保持されやすい(あんかけ料理がいつまでも熱いのと同じ)ので、しっかりとした性能のオイルというのが前提になるが、熱が気になるなら柔らかくするのが正解だ。実際、F1のエンジンに入れるオイルも水みたいである。
さらに粘度を突き詰めていくと、単純な10W-30という缶の表示ではなく、オイルメーカーが公表している性状を見られるようになると分ってくることも多い。
性状とは詳細スペックで、たとえばひと口に30といっても、実際は粘度に幅があることがわかるし、エンジン保護力もわかる。ちなみにそもそもなんの理由があるのかわからないが、性状を公表していないメーカーも少なからずあるのも事実だ。
また高温側が30でも0Wや5W、10Wといろいろあるのを不思議に思ったことはないだろうか。暖まってしまえば同じなら、そんなに種類がいらない気はする。
15W-30のように低温と高温の差が小さいほうが、ベースオイルがより良質だとされるが、逆に差が大きいのは良質な添加剤を採用しないと性能が出ないので、高性能オイルと言える。もちろんほかの要素もあるので、一概には言えないが一般論としてはそうで、粘度ひとつ見ても性能が掴めたりするのだ。