自動運転技術「プロパイロット」のアドバンテージは大きい
日本のミニバン市場におけるボリュームゾーンであるMクラス(5ナンバー枠いっぱいのサイズ)は、日産セレナ、トヨタ・ヴォクシー/ノア/エスクァイア、ホンダ・ステップワゴンという三強が長年に渡って競い合ってきた。そして、まさに切磋琢磨といえる進化を遂げている。
たとえば、Mクラスミニバンでは高い全高の影響でテールゲートが大きくなりがちで、駐車場でラゲッジにアクセスするためにクルマを一度前に出す必要があったりする。
その対策としてステップワゴンはハーフサイズの横開きドアの「わくわくゲート」を生み出したし、セレナは上半分を開ける「デュアルバックドア」を採用した。このように、ユーザーの不満を各メーカーが、それぞれのアイデアで解消しているのは、まさしく切磋琢磨の成果だろう。
そういう意味では、新しいほどアドバンテージがあるのは自明。先進技術装備にしても自動ブレーキは当然。ただし、トヨタはレーザーと単眼カメラの「トヨタセーフティセンスC」で自動ブレーキの対応速度は高いものの追従クルーズコントロールはつかないが、ステップワゴンはミリ波レーダーと単眼カメラの「ホンダセンシング」が用意され、追従クルーズコントロールや車線維持支援システムが装備される。
そして、セレナは「プロパイロット」という名前で高速道路の同一車線に限る自動運転技術を盛り込んだのは、ご存じのとおりだ。
一方、パワートレインについてはトヨタがフルハイブリッド、ホンダがダウンサイジングターボ、日産はマイルドハイブリッドと各社で異なるアプローチをしているのは興味深い。このあたりは価格と燃費性能のバランスをどこに見ているのかという違いなのだろう。