室内の使い勝手でも後発のセレナがリード
そして肝心なのはインテリア。3列目シートの使い勝手や乗り心地では、やはり新しいほどアドバンテージを感じる。なにしろセレナの3列目には前後スライド機構が備わっているのだ。
もっともステップワゴンは床下収納の「マジックシート」で、他車が左右跳ね上げタイプとしているのに対して違う。このあたりもメーカーごとの考え方の違いといえるだろう。
現実的には、新車効果もあるだろうから、これまでMクラスミニバンのトップを走ってきたヴォクシーをセレナが追いつき、追い越すことだろう。ただし、日産→トヨタ→ホンダの並びで順位が固定されるとも思えない。
基本的には新しいクルマほど進化しているが、ここまで見てきたようにいくつかの点でメーカーの考え方がはっきりと別れており、どれをユーザーが評価するかは絶対的な答えはないと思える。
たとえば、セレナのデュアルバックドアが注目を集めることによって、ホンダのわくわくゲートが再評価されるということも考えられるのではないだろうか。
そんなわけで、Mクラスミニバン市場がどのように変化するのかは予想もつかない。むしろ、ミニバンのダウンサイザートレンドによりトヨタ・シエンタやホンダ・フリードの拡大が予想されている状況からすると、Mクラスミニバン市場の規模が着実に成長するとも限らない。
さらにいえば、セレナという量販モデルに自動運転技術を採用したという日産の判断は、自動運転に対する市場の受け入れ方や理解度を変えてしまうかもしれない。ミニバン市場だけにとどまらず、国内市場全体の変化を呼び込むモデルとして、その評価やセールス状況には大いに注目していきたい。