夜間の死亡事故の96%がロービームという数字は無意味
しかし都市部はもちろん、郊外で生活している人だって、夜間、対向車や前走車がほとんどないという道路を走る機会は稀だろう。
多くのドライバーの実感として、夜間ライトを点灯するときの、90%以上がハイビームよりロービームの使用がふさわしい環境だとすると、「夜間の死亡事故の96%がロービームだった」という数字自体に大きな意味はないではないだろうか。
とはいえ、郊外でも対向車や前走車が多いシーンが増えたことで、ハイビームを積極的に使う人が減り、なかには、ハイビームとロービームを切り替えることすら知らない人がいるのも事実。
自動車メーカーも状況に合わせ、自動的にハイビーム、ロービームを切り替えるような工夫をしてもいいと思う。一部車種にはそうしたシステムが実装されているが、それが広まっていくことはこれからの課題となるだろう。
そういう意味では、これを機にハイビームの積極的な活用を呼びかけるキャンペーンは、大いに歓迎できる。同時に時間帯別では突出して事故の多い、薄暮の時間の事故減少のため、日没30分前の早期点灯で他者に自分の存在に気付いてもらうためのライトオンや、雨天時のライトオンも奨励したいところ。
同時に、無灯火の自転車の取り締まりもぜひとも強化してもらいたい。
というわけで、どんどん日が短くなるこの季節、クルマも自転車も早めのライトオン+適切なハイビームの使用で、一件でも不幸な事故を減らしていこう。