視覚障がい者が自分でステアリングを握って運転する
「一生に一度でいいから自分で実際にクルマを運転してみたい」そんな視覚障がい者の夢を実現するプログラムが世のなかに存在する。
補助ブレーキが付いた自動車学校の教習車と同様の車両を使って、助手席にインストラクターが乗る。そのインストラクターがステアリングの舵角やアクセル、ブレーキのタイミングを知らせる。しかし実際に操作をするのは視覚障がい者であり、自身がエンジンをかけ、ハンドルを握り、アクセルとブレーキを操作するのだ。
この企画は、とあるツアーに参加していた視覚障がい者のそんなひと言から始まったものだ。そのツアーに同行していた同社の渕山知弘さん(現・テーマ旅行部ユニバーサル旅行センター課長)が、その夢を実現させるには、なにが揃えばできるのかを、5年ほど模索してたどり着いたツアーなのだという。
このツアーは参加人数16名を上限として募集を募っている。毎回口コミだけでほぼ埋まってしまうという人気の企画だ。しかし、ツアー内容の質を重視するため、16名以上に増やすことはできないのだという。
現在リピーターがツアーの約半数を占める。ほかの旅行商品にはありえないほどのリピーター率といえる。
プログラムは、東京・上野駅からバスでツインリンクもてぎまで移動。初日の午後から走行がスタート。第2ASTPコースや南コースを使用しての周回走行、そしてインストラクターによる同乗走行、電動カート(モビパークにあるファンビークル)での走行体験。ほかにもホンダ・コレクションホールの展示車両に触れたりする機会も設けられる。二日目の午前いっぱいをもてぎで過ごし、バスで帰京して解散というスケジュールとなる。