操舵応答性や直進安定性が高まる!
トヨタが86の試乗会で公開され、最近自動車業界を賑わせているアルミテープ。これを貼るだけでダウンフォースを多く発生させることができたり、スタビリティが高まるという不思議グッズだ。しかも写真はトヨタ純正のテープだが、市販のアルミテープでも効果があるという。
思えばこの手のグッズは、過去にも多く存在していた。オカルト系などと呼ばれるもので、有名なものはレースで使用禁止になるほどの効果を発揮していたと言われている。オカルトと呼ばれる由縁は、なにぶん理屈がよくわからなかったからだ。
「そんなに効果があるのなら、自動車メーカーがとっくにやっているよ」なんていうのがオカルト系グッズ反論者から良く聞くコメントだった。
今回は、天下のトヨタ自動車が純正パーツとしてアルミテープを採用し、キッチリ理論を解説してくれている。ついに、反オカルトグッズ派たちがぐうの音も出ないという状況になったのだ。
じつは、このアルミテープは、最近モデルチェンジしたノア&ヴォクシーに使用され、その後プロボックス&サクシードにも採用されていたが特許申請の都合上オープンになっていなかった。86マイナーチェンジのタイミングでようやくオープンになったというわけだ。
トヨタ自動車株式会社 先進技術開発カンパニー 車両技術開発部 動的性能技術開発室 主幹である山田浩史さんは「アルミテープは操安性をバランス良く高めてくれます」と自信をもって言う。
今回の取材会では、フロントガラス下部の両端と、バンパー両サイド、ステアリング・コラムの下側に貼り付けた。
フロントガラスに貼った効果は、前方向からの風を整流化してダウンフォースを適度に受けられるようにし、接地性向上とロール制御の働きを成す。
バンパー両サイドは、今回は取材のために外側に貼ったが、本来は内側に貼り、それでも同じ効果が得られるということで、ボディサイドの整流化によって、直進安定性を高め、ヨースタビリティや操舵応答性を向上させるという。
コラムカバーは、フロントタイヤの空力的悪影響の軽減により、微操舵の正確性や接地性の向上という威力を発揮する。
取材当日は雨で、貼り付けた後のフィーリングは非常にわかりにくい条件だといえる。にもかかわらず、3カ所にアルミテープを貼った86に試乗すると、フロントガラスが押しつけられるようなフィーリングや、タイヤの接地感が高まりスタビリティた高まった印象があった。
ちなみにXaCAR編集部が所有する86に貼り付けて長期リポートを行う予定。また、アルミテープの開発に協力をした、株式会社カーテックフジ 車両開発部 試験課 技術アドバイザーである棚橋敏雄さんによれば、「アルミテープの効果を発揮できる場所は今回の3カ所だけではありません。いろいろ試してみていただきたいです」とのことなので、新たなツボを探っていきたいと思っている。その結果はまたいずれWEBCARTOPにてリポートしたい。
なお、エンジンルーム内にもアルミテープの効果を発揮できる場所はあるというが、だからといって、やたらめったら貼ればいいというものではないらしい。後期86&BRZのフロントバンパーには装着されていない。これはひとつのヒントになる。
クルマをお持ちで興味のある方は、安価にテストできるので、試してみると面白いだろう。色々と張って、自分なりに効果のある場所を探してみてはいかがだろうか。