常時点灯の2輪車や緊急車両が目立たなくなるなどの課題
夕暮れ時に交通事故が起きやすいというのはデータからも明確。事故防止のために、お互いの存在をアピールするための「はやめのライトオン」を推奨するキャンペーンが全国各地でいくつも行われている。
ヘッドライトを点けていることで、クルマ同士がお互いを認識しやすいのはもちろん、歩行者もクルマの接近を把握しやすくなり、飛び出し防止につながるというメリットもある。
それならば、自動車のヘッドライトを常時点灯にしておけばいいのでは? と思うのは自然な話。世界には常時点灯が義務付けられている国もあるし、日本でも現在のオートバイは常時点灯となってる。
日本でも自動車(四輪車)の常時点灯について議論されることはこれまでにもあったが、このオートバイの常時点灯が、ひとつのネックとなっている。
ライダーがむき出しで乗っているオートバイと四輪車の事故を防ぐために、「オートバイを目立たせるための常時点灯」ゆえ、四輪車も同じようにヘッドライトを点けるようになると、オートバイが目立たなくなり、元の木阿弥というわけだ。さらに、救急車などの緊急車両が目立たなくなるという指摘も少なくない。
また現時的に常時点灯にするとなると、メーターやカーナビなどの照明についても対策しなくてはいけない。現状ではヘッドライトを点けると、そうした室内装備も夜間モードになってしまうが、それでは昼間の明るい陽のもとで視認性を確保できない。
さらにナンバー灯やリヤのスモールなど、無駄な電力を使うことは、わずかな影響とはいえ、燃費性能を悪化させてしまう。
そのため常時点灯とはいっても単にライトオンにするのではなく、それがルールとなるのであれば、昼間のヘッドライトを点けているモードと、夜間のメーター照明などを点けるモードと2つを用意しなくてはいけないという見方もあるようだ。