ミニバンとは思えないコーナリングでの安定感
コンパクトな5ナンバーサイズの全幅に、パッケージングを優先した高い全高。そんなコンパクトミニバンスタイルからは想像できない、キビキビとした走りを新型フリードはもっている。ちなみに、開発責任者を務めた田辺 正さんは4代目オデッセイのLPLを務めた方。ミニバンでもしっかりした走りを、という思いがあったに違いない。
フットワークのよさはシャーシのテコ入れ具合からもわかる。フロントスタビライザーの剛性アップ、リヤサスペンションの剛性向上などが施され、さらにはステアリングの剛性は先代比約10%アップとした。重心高は約8mm低くなっており、クルマの動きに嫌なロールがないのが印象的だ。
もちろん相応のロールはするのだが、それがとても自然で安定感抜群。ドライバーのステアリング操作にリニアに反応する操縦性をもっていた。ミニバン的なスタイルからは想像できない、優れたフットワークは新型フリードの大きな魅力といえる。
パワートレインは1.5リッター直4ガソリンと1.5リッター直4ハイブリッドの2タイプが用意される。ハイブリッドは従来のIMAから、フィットなどにも採用されるスポーツハイブリッドi-DCDとなった。コンパクトミニバンとしては初となるハイブリッドに4WDがラインアップされたのもトピックだ。
燃費はハイブリッドが最高27.2km/L、ガソリンは最高で19.0km/Lを達成し、優れた環境性能をもつ。モーターのアシストが加わる分、動力性能的にはハイブリッドのほうが上だと思いがちだが、60〜70kgほど重くなっているため、絶対的な動力性能ではガソリンモデルが上だ。
ただし、EV走行をはじめとする静かな走りはハイブリッドのほうが断然上。もちろん燃費もハイブリッドが有利となるから悩ましい。なお、フィットなどで指摘されているDCTのギクシャク感は大幅に低減され、スムースな変速が感じ取れたのは嬉しいニュース。
なお、フリードプラスは車重こそフリードとほぼ同等だが、リヤ部分の重量が増している。とはいえ走りにそれほど大きな違いはなく、キビキビとした軽快な走り、そして安定感と安心感のある走りは変わりない。