単に識別以外にクルマの情報が詰まったものも
自動車にはメーカーが名付けた車名(通称名)のほかに、メーカーが国土交通省に届け出て認定された型式というものがある。これは車検証にも記載されているもので(通称名は記載されない)車両の情報が詰まったものだ。今回はそんな型式で呼ばれることが多いクルマたちをピックアップしてみた。
①AE86(トヨタ・カローラレビン/スプリンタートレノ)
型式といえば外すことができないのがこのAE86だろう。クルマ好きの間ではハチロクと呼ばれる。1983年にデビューした5代目カローラ/スプリンターのスポーティーグレードに付けられたこの型式は、漫画「頭文字D」の影響もあり一般的にも知られるほどになった。この型式をオマージュしたトヨタ86(ハチロク)が2012年に登場したのもご存じのとおりだ。
②FC3S/FD3S(マツダ・RX-7)
ロータリーエンジンを搭載する孤高のスポーツカー、RX-7も型式で呼ばれることが多い車種のひとつだ。日本では2代目RX-7をFC(エフシー)、3代目をFD(エフディー)と呼んでいるが、海外では初代のサバンナRX-7のことを「FB」と呼ぶ地域もある(日本ではSA22Cという型式となる)。
③R30~R34(日産・スカイライン)/S10~S15(日産・シルビア)
比較的型式で呼ばれることが多いのが日産車。とくに歴史の長いスカイラインやシルビアなどは、型式で呼ぶことでどの世代のモデルを指しているのか判別が可能なため、利便性も高いことがよく使われる理由のひとつだろう。実際に使用するときは、スカイラインなどでは「サンニースカイライン」や「イチヨンシルビア」など、アルファベットを略して呼ぶことが多い。
④NA~ND(マツダ・ロードスター)
現在は4代目となるロードスターもNA(エヌエー)型から始まり、NB(エヌビー)、NC(エヌシー)ときて現行はND(エヌディー)型となる。海外でもこの型式で呼ばれることが一般的だが、イギリスでは初代をマークI、2代目をマークII……と呼ぶこともあるという。なお、ロードスターの型式(NB6Cなど)は数字が排気量、最後のCはカブリオレ(Cabriolet)を表している。初代の1.6リッターモデルのみNA6CEと最後にEがつくのはユーノス(Eunos)ブランド扱いだったことを表しているのだ。