完成の域に達しているゲトラグ製6速EDCのスムースな走り
RRレイアウトというのは希有な存在だ。もっとも有名なのがポルシェ911シリーズ。自動車の歴史に詳しいクルマ好きならかなりの数を挙げられるかもしれないが、少なくとも現行車では他のレイアウトに比べてとても少ない。
新型トゥインゴはRRレイアウトを採用することで、登場前から日本でも話題となっていた。実際RRレイアウトのクルマに乗った記憶は、この10年をさかのぼってみても、ポルシェ911、三菱i、スマートぐらいだろうか。実際ルノーとしても約40年ぶりの量産RRモデルだという。
東京都内の試乗会場で出迎えてくれたトゥインゴは期待に違わぬ出で立ちだ。リヤからみれば、ルノー5(サンク)ターボを思い起こさせるフェンダーの張り出し、リヤコンビランプ部などがファンを唸らせるのだろう。
早速乗り込みキーをひねってエンジン始動。0.9リッター直列3気筒エンジンは、心配していた3気筒特有の振動をさほど車内に伝えることなくアイドリングする。発進は至極スムースだ。ゲトラグ製のツインクラッチ2ペダルシステムの6速EDCは、先日登場したカングーゼンEDCにも採用されるなどもはやルノー車でお馴染み、完成の領域に達している。
走り出してもエンジンの振動は気にならず、さらに静粛性には驚かされた。とても同一ボックス内にエンジンを積んでいるとは思えない。首都高速に入りペースを上げ、エンジンを回しても心地よいレベルのエンジン音に留まっている。真夏日となった試乗会当日、もっとも気になる音は全開のエアコンの風だった。