CNNのサイトでは31か所中3番目に登場する美しいポイント!
全国でも珍しい夏みかん色のガードレールが、山口県に来たことを実感させる。山口といえば、かつてはMINEサーキット(1972年11月~2006年2月/現在はマツダの美祢自動車試験場としてマツダの自動車開発の拠点の一つになっている)があり、また、マツダは山口県の防府工場で、アクセラとアテンザの生産を行なっており、クルマ好きにはなじみ深い県の一つであろう。
夏みかん色のガードレールは、1963年に山口で国体が開催された際に、山口県の特産品「夏みかん」の色に塗り替えたのがその始まりのようで、今では県道の多くがこの夏みかん色に塗られているという。「夏みかん」自体は山口県の萩市を中心に栽培されている。その発端は、萩藩による夏みかんの栽培奨励によるようである。
さて、そんな夏みかんガードレールの山口で、最近急激に観光客が増大している人気スポットをここで紹介しようと思う。
そのスポットは、アメリカのニュース番組専門の放送局であるCNNが発表した「Japan’s 31 most beautiful places(日本の最も美しい場所31選)」に選ばれたということで、それをきっかけに、国内はもとより海外からも多くの観光客がやってくるようになったという。
まず、その31選の内容から。那智の滝(和歌山)や金閣寺(京都)、厳島神社(広島)、さらに姫路城(兵庫)や松本城(長野)といった城郭、そして大山(鳥取)、屈斜路湖(北海道)、鳥取砂丘(鳥取)、洞爺湖(北海道)など、日本人の多くが知っているであろう超有名観光スポットが並ぶ。
31か所のスポットは、北海道と長野が4か所ずつと最多で、京都、広島、鳥取、大分、鹿児島が2か所ずつという分布となっている。
そして、山口県から唯一エントリーとなったのが、本州最西北端に位置する長門市にあるこの元乃隅稲成神社(もとのすみいなりじんじゃ/長門市油谷津黄498)だ。昭和30年に島根県津和野町の太鼓谷稲成神社から分霊された神社で、「稲荷」ではなく「稲成」と書く珍しいおいなりさんである。
高台に設けられた無料の駐車場からは、123本の鳥居がずらりと並ぶ壮観な景色を拝むことができる。ちなみに、海の向こう側に見えるのは「向津具半島」。読みにくいが「むかつく」とよむ。珍しい地名だということで、こちらもTVなどでも紹介されたりしているようだ。
そして写真右手、入口の鳥居の向こうには「龍宮の潮吹」というスポットがある。さらに周辺には、”日本海を望む大広間”と呼ばれる「千畳敷(せんじょうじき)」、日本の棚田100選にも選ばれた「東後畑棚田(ひがしうしろばたたなだ)」など、元乃隅稲成神社以外にも見るべき場所が点在する隠れた絶景スポットといえる。
CNNのサイトでも紹介されているが、元乃隅稲成神社の参道の出口(駐車場側)には賽銭箱が用意された大鳥居がある。賽銭箱は、なんと鳥居の額束(がくづか)の位置にあり、その高さは地上5mほどにもなる。賽銭が入れば願が叶うとされている。
神社近くに2か所の無料駐車場も完備されているわけだが、ここ最近のフィーバーぶりにより、週末や連休時には周辺の細い道路で大渋滞が起きているということで、周辺路の一方通行化など、市では対策を講じているようだ。出かける際は一度チェックをするべし。