気筒数が減ると振動で不利になるケースが多い
ただし気筒数を減らすということは、基本的には振動面で不利になる。V8から直6といったダウンサイジングであれば、むしろ振動面で有利という例外もあるが、6気筒から4気筒、4気筒から3気筒、3気筒から2気筒……と気筒数が減るごとに、従来モデルと同等の音振性能を維持するのは難しくなる。
またNAエンジンからターボエンジンになると、どうしても過給がかかるまでの領域で力不足を感じるケースも増えてくる。たとえ最大トルクでダウンサイジングターボが上まわっていても、アクセルの踏み始めなどで期待どおりの走りをしてくれないというケースは出てくる。
とくにトルクコンバーターを使っていないトランスミッションとの組み合わせでは、初期のトルク増幅効果が望めないために坂道発進などでは力不足を実感することだろう。
また、ターボエンジンというのはターボチャージャーやインタークーラーなど周辺パーツが増えてしまうため、ダウンサイジングだからといってコストもダウンしているとは限らない。実際、4気筒NAエンジンと2気筒ターボを用意しているFIAT500では前者のほうがリーズナブルな価格設定となっているくらいだ。
ダウンサイジングはトレンドだが、必ずしもすべてのユーザーに正解というわけではないということは留意して、クルマ選びをしてほしい。