添加剤の使用後はエンジンオイルの交換が必要
ちなみに、これらの燃料添加剤の主成分はPEA(ポリエーテルアミン)で、そのPEA自体は難燃性。つまり燃焼しづらい物質なので、ガソリンに対し、添加割合が1%を超えないよう、注意書きに記されている。
その燃えなかったPEA系の燃料添加剤はどうなるかというと、エンジンオイルに混ざっていく可能性がある。そもそもカーボン除去効果が有効であれば、エンジン内部のカーボンを溶かし、そうした汚れもエンジンオイルに吸収されるので、オイルは必然的に真っ黒になり、劣化も一気に加速する。
そうしたことを考えると、燃料添加剤を使用した後は、オイル交換やフィルター交換もセットで、考えておいた方がよさそうだ……。
ただし、シェルのV-Power(8000kmの使用で吸気バルブに堆積したカーボンを除去!?)や、エネオスのヴィーゴ(エンジンの吸気弁に堆積した汚れを86%削減)、エッソ・モービル・ゼネラルのシナジーF-1(合成清浄剤を添加)など、大手のハイオク・ガソリンは、清浄性能をウリにしているので、普段からこれらのハイオクを給油しているクルマなら、わざわざガソリン添加剤を投入して、カーボン等を除去する必要はないはず。
逆に言えば、レギュラー仕様のクルマなら、ときどきこうした燃料添加剤を使うのもアリだろう。
もっと言えば、きれいに燃焼していれば、そもそもカーボンなどたまらないはずなので、カーボンの蓄積などを気にするのなら、普段からときどき“全開”にすること。
ECUとインジェクターが、賢く燃焼をコントロールしているといっても、常時、アクセル開度が低く、中から高回転をほとんど使わないとしたら、カーボンも溜まって、吹き上がりが悪くなるのも当然!
「全開にしてやるのが、エンジンに対する礼儀だ」といった先賢がいるが、けだし名言ではなかろうか。
エンジンのレスポンスが悪い、吹き上がりが悪いと感じたら、ガソリン添加剤を入れる前に、暴走しろとはいわないが(ハイオクを給油して!?)ときどきはフラットアウトし(アクセルを床まで踏んで)、レッドゾーンまで回してあげた方が、カーボンも取り除け、エンジンも調子よくなるってものだろう。