【試乗】発売延期のトヨタ・プリウスPHVは「本当に使える」プラグインハイブリッド! (2/2ページ)

ノーマルのプリウスよりもワンランク上の快適性

 質感の高い乗り味にも注目だ。軽快なフットワークが魅力のプリウスに対し、プリウスPHVはより重厚なイメージ。トヨタの新プラットフォーム「TNGA」はそもそも低重心なプラットフォームだが、大容量のリチウムイオンバッテリーの荷室床下搭載などにより、さらに低重心化を促進。正確でバランスよいハンドリングは、より大人向けの味付けといえそうだ。制振材や吸音材などもプリウス以上に使われており、車内の快適性もワンランク上といった印象だった。

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 プリウスPHVでもうひとつ注目なのが、世界初のソーラー充電システムだ。従来のプリウスのソーラーパネルといえば、駐車中の車内換気にのみ使われるものだったが、今回はルーフ上のソーラーパネルによって発電した電力をソーラーバッテリーと呼ばれる一時保管用電池に充電。それを定期的に駆動用バッテリーに送り込むことで、駆動用バッテリーへの充電を可能にしている。

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 ソーラー充電システムによるEV走行距離は、晴天の日の屋外など最適な状況で最大6.1km/日。平均では2.9km/日分とのこと。つまり月〜金まで2.9km×5日貯めたとして14.5km分。サンデードライバーの人が近所に買い物に行く程度なら、太陽光発電だけでまかなえてしまうのだ。

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 マンション住まいなど自宅駐車場に充電設備が持てない人でも、わずかながら駐車中に充電できるのは嬉しいのではないだろうか。ちなみに従来の普通充電(AC200V/AC100V)に加えて、今回は急速充電にも対応している。

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 先代のプリウスPHVは、通常のハイブリッドモデルと70万円近い価格差がありながら、代わり映えしない外観、EV走行距離の短さなどが災いし、「失敗」といってもいいほどの不人気モデルになってしまった。

 その反省点を生かして開発された新しいプリウスPHV。今回は「価格アップ分も納得してもらえる性能の違いがある」と関係者が語るなど、性能が高められたことで価格アップが懸念される。

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 しかし一方で、さらなる普及を目指したいとのトヨタ側の思惑もあり、大幅な価格上昇はないのではないか? とも考えられる。今回プロトタイプに試乗し、今冬の発売が、俄然、楽しみになってきた。
(写真:増田貴広)

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