ついにアイサイトが4代目レガシィの最終型に採用
そして、2008年5月発売の4代目レガシィの最終型(アプライドF型)に次世代ADAとして「EyeSight(アイサイト)」を設定した。新型ステレオカメラと新開発3D画像処理エンジンにより、歩行者や自転車をも認識可能としたプリクラッシュセーフティシステムを実現。
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ADAの機能に加え、プリクラッシュブレーキや世界初のAT誤発信抑制制御、全車速追従機能付き(0~100km/h)クルーズコントロールを備えている。レーダー類を廃し、ステレオカメラ2基による比較的シンプルなシステムに戻したこともあり、価格のプラス分は約20万円にまで圧縮できた。
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しかし、「EyeSight(アイサイト)」は極めて入念に実施する実走試験などで開発に膨大な時間がかかるため、この翌年にフルモデルチェンジした5代目レガシィでは、初期のA型の時点では検証開発が間に合わず「EyeSight(アイサイト)」の設定が見送られている。
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「EyeSight(アイサイト)」がブレイクするのは、2010年5月発売の5代目レガシィのアプライドB型より満を持して搭載された「EyeSight(アイサイト)Ver.2」から。
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Ver.2は、プリクラッシュブレーキアシストに加え、全車速度追従クルーズコントロールに停止保持機能を追加。
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前方の認識能力やアクセル&ブレーキ制御も高精度化している。価格のプラス分は実質10万円と圧倒的な低価格を実現したことで装着率は激増。「ぶつからない」のキャッチコピーも奏功して、EyeSight(アイサイト)は瞬く間に世間に浸透した。
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5代目レガシィのC型以降はさらなる改良が加えられ、認識能力や制御がさらに高精度化しているが、名称はVer.2のままとなっている。一部のマニアはVer.2.5と呼んで区別することも。
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