STI Sportがレヴォーグの4割以上を占める
2016年7月21日にアプライドC(年次改良によるC型)へと年次改良を行なったスバル・レヴォーグの発売1か月での受注状況が発表された。
それ以前のアプライドBにおいては1.6リッターグレードが全体の8割以上を占め、最量販グレードである1.6GT-S EyeSightは全体として4割以上の比率となる人気グレードとなっていた。
しかし新たにSTI Sportという上級グレードを追加したアプライドCでは、どのような変化を見せているのだろうか。
レヴォーグ グレード構成比(富士重工業調べ・発売1か月)
1.6GT-S EyeSight 26 %
1.6STI Sport EyeSight 22 %
2.0STI Sport EyeSight 20 %
1.6GT EyeSight 14 %
1.6GT EyeSight S-Style 12 %
2.0GT-S EyeSight 6 %
結果的には、年次改良後の初期受注でもトップは、1.6GT-S EyeSightで変わらない。しかし、その比率はかつてのような圧倒的なものではない。
新たに登場したSTI Sportが、2番手、3番手に続いている。レヴォーグというモデル自体がスタンダードとなってきたなかで、新グレードの新車効果による瞬間最大風速的な数字なのだろうか。
いや、そう単純な話ではないかもしれない。かつてのレガシィがそうであったように、スバルのツーリングワゴンは最上級グレードが一定の人気を集めていた。
そこにはエンジンフードに設けられたインタークーラーを冷やすためのエアダクトの有無が影響しているという話も巷間囁かれていたこともある。ダクトを嫌うユーザーもいるが、ダクトを求めるユーザーのほうが多い印象があるというわけだ。
だから、レヴォーグが全車ターボエンジンで出てきたときに、国内向けの商品(現在はグローバルに販売しているが、当初は日本専売モデルだった)としてユーザーのマインドを調査してきたことを感じたものだ。
しかし、全車ターボエンジンのレヴォーグが安定して売れ(月販2000台ペース)、その姿に見慣れてくると、市場はさらなる差別化を求めていたのかもしれない。そうしたマインドに、ピタリとハマったのがSTI Sportなのだということは、この数字から感じられる。
とくに2リッターターボを積むSTI Sportが全体の20%という比率で売れている点に注目したい。アイサイトという実績ある先進安全装備とダウンサイジングターボの組み合わせによるインテリジェンスがレヴォーグの1.6リッターが売れている理由と考えられるが、STI Sportの投入によりパフォーマンスを求めるユーザーを掘り起こしたという見方もできる。
レヴォーグSTI Sport発表の場において、プレミアムブランドとしてのSUBARUをより輝かせるための1つとして「STI Sport」というグレードは、レヴォーグにとどまらずに展開していきたいという話も耳にしていたが、そのスタートダッシュは見事に成功したといえそうだ。