機械モノである以上暖気はしないよりした方がいいのは道理
ただし、どんなに精度が高まろうが機械は機械である。ナラシも同様なのだが、機械である以上、まったくやらないよりはやったほうがいいのは物理的な話しだ。今どきのクルマはナラシも暖機も不要だし問題もないというが、正確にはメーカーが考える常識的な走行距離において故障などの不具合が出ない、という意味である。
たとえば内部表面に被膜を作っていたオイルも1週間もすれば流れ落ちてしまい、次にエンジンがかかったときには摩耗が進む。コールドスタートもしくはドライスタートと呼ばれる状態で、エンジンがヘタる最大の原因と言われているほど。やはり厳密にいうと、暖機は必要で再度オイルが全体に行き渡るまでは無理に回さないほうがいいだろう。
もちろんいきなりフツーに走り出しても目に見えての問題は出ないだろうが、長く乗っているうちにはパワーや燃費に微妙な差が出てくる可能性はある。クルマ好きなら、という条件付きではあるが、しばらく止めていた場合はエンジンをかけてすぐに走り出すのではなく、30秒ぐらい止まったままでオイルが行き渡るのを待つ。
その後走り出すのだが、いきなり全開は避けて、水温計の走りが動き出す(もしくは警告灯が消えるまで)までは抑え気味に走るようにすればいいだろう。ゆっくり走ることはエンジンだけでなく、走らないと動かないミッションや足回りの暖機にもなる。手間はほとんど必要なし。これだけでも十分、愛車をいたわることになる。