出火の原因も場所もさまざま
交通情報を聞いていると、車両火災の発生を耳にすることがある。今どきのクルマがそんなに燃えるのかと思うし、一時燃えるクルマがニュースなどで話題になった(パジェロだったけど……)こともある。
じつは車両火災は特殊なことではない。国土交通省が発表しているデータを見ると、年間で1500件ぐらい起きている。つまり1日あたり、4台ぐらいがどこかで燃えている計算になる。私感にはなるが、意外に多いのではないだろうか。
原因については「ヘタな後付け」とよく言われるが、だいたい10パーセント程度。原因不明もあるので、もう少しあるのだろうが、それでもそれほどでもない。では、なにが原因かというと、多岐に渡りすぎて、これだというのはじつはない。
ただ、走行距離10万km以上が一番多くて、距離が少ないと発生件数も少なくなっていく。そういう意味では、点検整備の不良。つまりなにもしていないというのが一番大きな原因かもしれない。
また出火場所はエンジンやタンクだけかと思いきや、ブレーキやステアリング、ランプ類とこちらも多岐に渡っているのには少々驚く。
極端なことを言ってしまうと、クルマはいつ、どこから出火してもおかしくないのだ。たしかに燃料を積んで、それを爆発させて、凄い速度で走るものだけに、油断は禁物である。
最後に防止方法だけど、ニオイなどに普段から敏感になるしかない。また他車が先に気づくこともあるだけに、周囲につねに注意を払うのも大切だ。
また、海外の一部の国のように、消火器の搭載の義務化も考えられるが、強制されなくても自ら積んでおくのもいいだろう。もちろん初期既消火に限定で、タンクに火が回れば、一発で大爆発の恐れもありだけに、手に負えない場合はすぐに避難するのは鉄則。
選ぶポイントは、粉末タイプは火は消えても使い物にならなくなることがあるので、家庭向けの天ぷら油用を積んで置くのがオススメだ。価格も安いし、スプレーでサッと使えるのもいい。