未使用車にはデメリットもある
●未使用車のメリット/デメリット
本来メリットから挙げるべきだが、未使用車はデメリットから考えた方がメリットにつながりやすいため、デメリットから挙げると
デメリット
①通常の中古車と同じように現車しかないためグレード、ボディカラーやメーカーオプションといったクルマを生産する時でないと選択できない仕様は、新車のように選べない。
※購入後でも買えるディーラーオプションに関しては、少なくとも現行車であれば未使用車でも新車と同じように選べる。
②登録から多かれ少なかれ時間が経っているため、新車に比べると車検とメーカー保証の残り期間は短い
③登録から半年、1年といった期間放置されたクルマもある。この点は人によって捉え方は違うにせよ、クルマに限らず機械ものは定期的に動かすことで調子を維持しやすい面もあるのを考えると、あまり好ましくない。
メリット
①デメリットがあるだけに車両価格は安い。さらに中古車販売店によって異なるケースもあるが、自賠責保険や重量税といったクルマを買う際に必要な諸経費(=新車を買う時に必要な車検を取るための法定費用)が車両価格に含まれるケースもあるので、この要因でも購入価格が安く済む場合もある。
②現車があるだけに、新車より納期は短い。
といったメリットがあるだけに、未使用車はここで挙げたデメリットを価格の安さと引き換えに妥協できるのであれば、積極的に選択肢に考えていい存在といえる。
●未使用車はどんなクルマでもあるのか?
販売会社が在庫として持つクルマは当然ながら販売台数が多いクルマ、仕様が多くを占める。そのため未使用車も在庫が多い分、売れ残りやすいクルマがほとんどとなる。
具体的には、ハイトワゴンに代表される一般的な軽自動車、コンパクトカー、ミニバン、SUVといった人気ジャンル(輸入車も人気車が該当)、売れ筋グレードの人気ボディカラー、メーカーオプションも自立自動ブレーキのような装着率の高いものであれば、流通している可能性が高い。
逆に考えるとトヨタ86のようなスポーツカー、MT車を含んだ販売の多くないグレードやボディカラー、マニアックなメーカーオプションが着いた未使用車が流通する可能性は残念ながら非常に低い。
●賢く未使用車を買うには?
未使用車はデメリットもあるだけに、よく見極めて賢く買いたい。その基準はズバリ価格だろう。具体的には未使用車とその未使用車に近い仕様の新車それぞれの見積もり(値引きも含む)を取り、未使用車のほうが納得できる差額を伴って安ければ未使用車を選ぶといい。その差額はデメリットを埋め合わせるのに相応しい金額と考えると、最低10万円といったところだろう。
ここまで未使用車について解説してきたが、1つ頭に入れて欲しいことがある。それは、未使用車は安さという面で消費者へのメリットは大きい商品なのは事実ながら、未使用車は販売目標台数を半ば強引に達成するために流通するクルマであり、決して健全、健康的なクルマの売り方とは言えないことだ。
また未使用車の乱発は自動車メーカー、販売会社の体力やブランドイメージの低下につながることもある。
最後に未使用車を買った場合に注意として、未使用車は購入時期を何年何月まで覚えていても、前述したように購入時期と車検に時期にタイムラグがあることが多々あるので、くれぐれもウッカリ車検切れには注意してほしい。