手続きが大変なので専門業者に依頼するのが一般的
さまざまなライフスタイルに合うように数多くの車種が開発されているクルマ。しかし、国産メーカーにも海外専用車種がありますし、正規輸入されている海外メーカーでも、すべての車種が日本で販売されているわけではありません。
そもそも日本では取り扱いのないメーカーも……。「海外で売っているあのクルマが欲しいのに、日本で販売されていない!」なんて思ったことがある人もいるのでは。
そんな「日本では販売されていないクルマ」を手に入れるためにはどうすればいいのでしょうか? 今回は、自動車輸入も手掛ける「CIOCIARO CORSE GIAPPONE」の高田さんにお話をお伺いしました。
――海外専売車はどうやって買ったらいいのでしょうか?」
「まずは、現地で目的のクルマを購入しなければなりません。新車であれば新車ディーラーからスムーズに購入できますが、言語の問題はありますね。また、中古車の場合は、希望のクルマが見つかるまで探さなければいけませんので、個人でやるのは大変だと思います。どちらにせよ、まずは信頼できる並行輸入業者を見つけることが近道でしょうね」(高田さん・以下同)
――無事クルマを購入できたら、どうやって日本へ運ぶのでしょうか?
「購入した国にもよりますが、船便で運ぶのが一般的です。港までの輸送費用や輸出に関する書類手続き費用、船積みの費用、海上運賃、そして海上保険などがかかります。運送日数は、北米でおよそ4週間、欧州からだと6~7週間前後です」
――クルマが日本に到着してからはどんな手続きがあるのでしょうか?
「日本に着いた車両は通関の手続きが必要になります。コンテナに乗せて運んだ場合は、車内に怪しいものがないかどうかのX線撮影などが行われ、この検査費用も輸入した側の負担となります。また、輸入消費税(8%)や、港から保管ヤードへの移送費用、ヤードでの保管料なども必要となりますね」
――日本で使用するために、クルマを登録するのはどうすればいいのですか?
「輸入したクルマがきちんと国が定めた基準に適合しているかの検査が必要になります。排ガス検査(ガス検・排ガスレポート)や加速騒音検査、ブレーキ制動検査などですね。特に、排ガス検査がかなり大変で、時間も費用もかかってしまいます」
――検査をしなくてもいい場合があると聞きましたが?
「過去に同型の車両の輸入実績があれば、台数に限りはありますが、外国自動車輸入協同組合(FAIA)の組合員の業者からレポート枠を購入し、各試験を免除するこができます。また、製造年月日が1975年3月31日までの車両も排ガス検査が不要となります。ただ、1974年製造までであれば登録書類で証明できるのでいいのですが、1975年製造のクルマだと、製造された月日によって差が出るため、製造年月日を証明する書類が必要となってしまいます」
クルマの輸入には大変な手間と費用がかかることが分かりましたね。ただ、それを乗り越えて特別な一台を手にしたときの感動もひとしお。気になった方は専門業者に問い合わせしてみてはいかがでしょうか?
<取材協力>
CIOCIARO CORSE GIAPPONE
http://500maxi.jp/