マルチシリンダーMR車はスペースの問題で縦置きが多い
たとえばミッドシップレイアウトで優劣を語ると縦置きに軍配を上げたくなるが、比較的コンパクトで、それほど出力を求めないのであれば、マスを車体中央に集中できる横置きのほうが有利という見方もできる。たとえば、ロータスの各モデルやホンダS660は横置きミッドシップだ。
もちろん、FFのパワートレインを基本的に流用できるというメリットもあり、運動性能の優劣だけで決められたレイアウトとは言えない面もあるだろう。
逆に、ハイパワーなミッドシップ(スーパーカーやレーシングカー)が、縦置きミッドシップを採用しているのは、高出力を発生する多気筒エンジンと、高トルクに対応するトランスミッションが大型になってしまうため、物理的に縦にしか配置できないという見方もできる。
なお、マルチシリンダーの横置きミッドシップとしては、ランボルギーニ・ミウラやホンダの第一期F1マシンなどV型12気筒エンジンを横置きレイアウトしていたクルマもあった。大型車でも、バスなどはノンステップ領域を拡大するために、エンジンを横置きとしているケースもある。
エンジンの縦置き・横置きというのはパフォーマンスのためだけでなく、パッケージングという視点から決められることも忘れるわけにはいかない。