指定空気圧をこまめにチェックすれば問題なし
帰省や行楽地へのロングドライブの機会が増えるこのシーズンだが、ドライバー全員に意識してもらいたいのは、タイヤの空気圧を適正に保つこと。
ところが、JATMA(一般社団法人 日本自動車タイヤ協会)の調査によると、タイヤ整備不良のワースト1は「空気圧不足」で、昨年のJAFのお盆のロードサービス救援依頼内容を見ても、高速道路では「タイヤのパンク、バースト、エア圧不足」が、ダントツ1位(1370件 全体の34%)。
タイヤの剛性、とくに張力剛性というのは、空気圧によって支えられているので、空気圧の低さは、バーストに直結する。
タイヤの適正な空気圧は、車種やタイヤサイズによっても違うので、運転席のドア付近にある「空気圧表示シール」を見て、その指定空気圧を下回らないように調整しよう。
この指定空気圧は、そのクルマの乗車定員の上限が乗車した状態を前提としているので、「普段は自分一人しか乗らないけど、帰省で家族全員乗るのでどうしよう?」と悩む必要は基本的にない。
ただし、タイヤの空気圧は1カ月でおよそ5%減っていくと言われているので、ロングドライブの前には、給油と一緒に必ず空気圧もチェックしておくこと。
とくに高速道路を走る前は、空気圧を少し高め(指定空気圧の10%増程度)にしておくのがポイント。
メーカー指定の空気圧の数字は、冷間時、つまりタイヤが冷えている状態での計測が前提となっているが、夏は少し走り回るだけでもタイヤが相当熱をもつ。
つまり、冷間ではなく温間になってしまっているので、日中、ガソリンスタンドまで走っていってそこで空気圧を計測し、その状態で空気圧を指定位置に合わせると、冷間時には指定空気圧を下まわってしまうことになるからだ。
というわけで、真夏の日中に自走でガソリンスタンドや整備工場へ出かけ、そこで空気圧を測定するなら、指定空気圧より高くても基本的に下げる必要はない。温間で、指定空気圧の110~120%なら、そのままでOK(左右でバラつきがあるときは調整・点検が必要)。
具体的には、指定空気圧が「2.0kgf/cm2」なら、温間で「2.2~2.4kgf/cm2」でちょうどいいということ。
同様に、スペアタイヤの空気圧も1カ月で約5%減っていくので、ロングドライブの前には合わせて点検を(幅の細いテンパータイヤの空気圧は、普通のタイヤの約2倍・420kpaぐらいが標準なので要注意)。
いずれにせよ、空気圧の管理はドライバーの責任ですので、長距離ドライブのあるなしに関わらず、ひと月に一度は点検するよう習慣づけよう。