軽トラックは「走りの性能ありき」で作られている
信じがたいかもしれないが、「軽トラックの走りが楽しい!」という話は本当だ。
どの軽トラックも、開発時にファン・トゥ・ドライブ性を高めようとエンジニアが力を入れる部分はゼロなのに、中途半端なスポーツモデルより全然楽しいと思えることさえある。
軽トラックの走りが楽しく感じる理由は、「本気で突き詰められた運動性能を備える」からで、ある意味、レーシングカーに近い思想で作られることが、一般的な乗用車と大きく異なるポイントといえる。
乗員の快適性や居住性、燃費などのエコ性能よりも優先すべきは「どんな路面の上でも大量の荷物を確実に運ぶこと」であり、性能目標が単純明快でブレがないため、コンペディションカーのような潔さが味わえるのだ。
軽トラックが最優先に追及する性能は
●農道や林道といった道なき道でもしっかり走る確かなトラクション
●多少の過積載状態でも破綻しない安定性
●想定を超える酷使をしても故障しない耐久性
●狭い市街地でもサクサク走れる扱いやすさ
などであり、走りに関する以外の性能については、かなり割り切ることができる唯一のジャンルといっていい。
いわば、軽トラックは「走りに特化したマシン」なのだ。
もちろん、快適性や燃費も完全に無視するわけにはいかないが、優先順位としては圧倒的に下位となる。