トヨタブランドの高級車が健闘していることも要因か
また、トヨタの高価格帯モデルが健闘していることで、レクサスへユーザーが流れていないという見方もできる。同じく2016年6月のデータ(自販連・発表値)でいえば、クラウンが3027台、ヴェルファイアとアルファードの合計で6841台を売っている。
さらにいえば、本来はレクサスに含まれるべきだったハリアーも3218台と、トヨタ系の販売チャネルがレクサスを購入するようなロイヤルカスタマーを手放していないという風にも言えそうだ。
しかし、もっとも大きな理由は、前述したようなドイツ系プレミアムブランドを積極的に選ぶ富裕層にリーチできていないことであるのは間違いない。先日、米フォードが日本からの撤退を発表しているが、日本において月販四桁を実現できている輸入車ブランドは、そのほとんどがドイツ系。
ボルボとジープが健闘しているが、それでも2000台には届かないレベルであり、5000台規模を誇るドイツ系ブランドの存在感には遠く及ばない。もちろん商品としての評価もあるだろうが、圧倒的なブランド力を持つドイツ系プレミアムブランドに立ち向かうには、トヨタを持ってしても10年あまりでは、まだまだ時間が足りないということであろう。
この状況を打破するためには、ドイツ系プレミアムブランドの示すアドバンテージとは異なる土俵でのアピールが必要であろう。ライバルをキャッチアップすることではなく、なんらか違う魅力をユーザーに届けるアピールができてこそ、レクサス・ブランドはステップアップできるのではないだろうか。