「上り坂」の走り方が燃費には重要
⑤上り坂の手間で緩やかに加速
上り坂と下り坂の比率は同じであるだけに、クルマに乗っていれば必ず坂に遭遇し、特に上り坂はクルマへの負荷が大きく燃費も下がるだけに、なるべくうまくクリアしたいところだ。
もし平坦から上り坂になる道があり、先行車との車間距離があれば少ない負荷で加速できる平坦のうちに常識的な範囲でスピードを上げておき、その勢いを使ってAT車のキックダウンやMT車のシフトダウンのようなエンジン回転を上げることなく上り坂を上り切れれば理想的だ。
下って上る場合も同様で、先行車との間隔によっては、④で書いたアクセル全閉による燃料カットや回生ブレーキを優先的に使って減速する必要がある場合も多々あるが、前後のクルマとの間隔に余裕があれば平坦から上り坂になるときと同じように下り坂で暖加速し、その勢いで上り坂を上り切れればベストだ。
ここまで書いたことを方法論ではなく目標としてまとめるなら「川の流れのようなスムースな運転を目指せば、同乗者の快適性や燃費も向上する、安全運転にもつながる」といったところだろうか。
ちなみにクルマごとの燃費向上のコツも少し補足すると
●アイドリングでの暖機運転は極力避ける
エンジンが着いたクルマのアイドリングでの暖気運転は雪が降る、ガラスが凍るような寒さでもない限り、電子制御燃料噴射を使う現代のクルマなら基本的に不要。すぐに走り出していい。しかしクルマは全体的な暖気が必要なので、水温計があれば中央まで上がるのを目途にしばらくは極力ユックリ丁寧に走る必要がある。
●早めのシフトアップを心掛ける
CVT以外の有段トランスミッションでは、加速の際の早めのシフトアップも燃費向上につながる。MT車ならやりやすく、状況によっては1-3-5のような飛ばしシフトアップという手もある。
有段AT車の場合はいつもシフトアップするエンジン回転数の少し手前でアクセルを若干戻しシフトアップを促したり、パドルやマニュアルモードでシフトアップを行うやり方が有効だ。