価格も効果もピンキリなので購入前に精査が必要
赤外線レーザー+ミリ波レーダー+単眼カメラ:
ボルボV40、V60などのインテリセーフ、他社も同方式のものあり
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○ポイント:
ボルボのインテリセーフはXC90のものも含め自立自動ブレーキ、アダプティブクルーズコントロールの性能ともに非常に高く、自転車にも対応する
×ポイント:
方式としてはここに分類されても、自立自動ブレーキの性能が低いものもある
ミリ波レーダー+ステレオカメラ:
ベンツCクラス、Eクラス、Sクラスなどのレーダーセーフティパッケージ、レクサスLSの衝突回避支援型プリクラッシュセーフティシステム
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○ポイント:
ベンツCクラス、Eクラス、Sクラスのレーダーセーフティパッケージの自立自動ブレーキ、アダプティブクルーズコントロールの日本の速度域においての性能はスバルのアイサイトやボルボのインテリセーフとほぼ同等。しかしドイツ生まれのベンツだけに日本では非合法となる速度域まで対応するという非常に高い技術力を持つ。価格もCクラスのオプションとなるグレードを見ると19万9000円と内容を考えれば納得できる。
×ポイント:
ベンツCクラス、Eクラス、Sクラスのレーダーセーフティパッケージに関して、ネガな要素を強いて挙げるなら、日本の速度域では過剰な性能な感じがあることくらい。レクサスLSの衝突回避支援型プリクラッシュセーフティシステムは性能としてはアイサイトと同レベル。つまりそれなりに性能は高いが、付帯する機能を考慮しても100万円以上という価格はいくら何でも高すぎる。
このように自立自動ブレーキは性能、価格を含めて「ピンからキリまで」という言葉がピッタリなくらい幅広い。しかも同じメーカーの場合、同じ名前なのに性能がまったく違う、名前が似ていているのに性能が全然違う、といった非常に紛らわしいケースもある。
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それだけに自立自動ブレーキの性能を見極めるには情報収集が非常に重要だ。具体的な方法としては、カタログやインターネットでメーカーが公表する情報、自動車メディアの評価、そして車種は限られるが、国が行う「JNCAP」と呼ばれるクルマの安全性のテストの中にある自立自動ブレーキの性能の評価を含む予防安全性能アセスメントという項目のチェックが挙げられる。
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とくにJNCAPの予防安全性能アセスメントでは「物体に対し何㎞/hまで止まれるか?」などのテスト項目があるので、これらの情報を総合しそのクルマの極力正確な自立自動ブレーキの性能を把握するといいだろう。
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また自立自動ブレーキはあくまでも運転支援。危険が迫ったときの最後の砦であるだけに、自立自動ブレーキやアダプティブクルーズコントロールに頼り切った運転はくれぐれもやめていただきたい。