国民的セダンから商用ミニバンまで!
3ペダルのマニュアルトランスミッション(MT)と言えば、スポーツカーの代名詞。しかし最近では、クラッチが自動操作される2ペダルMTの進化が目覚ましく、もはや速さを求めるのであれば、2ペダルMTのほうが上という時代になってきた。国産ハイパフォーマンスカーの筆頭である日産GT-Rも例に漏れず2ペダルMTオンリーのラインアップである。
しかし、クルマを操る楽しみという意味では3ペダルMTのほうが上という人も多く、まだまだ根強い人気があるのもまた事実。そこで今回はMTの設定がある意外な現行車種を紹介したい。
●トヨタ・カローラアクシオ
今年で生誕50周年を迎えるカローラ。初代から一貫してMT仕様を用意しており、現行モデルも1500ccエンジン搭載モデルに用意されている。
基本的にはMTに慣れている歴代ユーザーの代替向けという側面がメインとなるが、先代にはTRDがターボ化を施した「カローラアクシオGT」が販売されるなど、スポーティなイメージも見え隠れしているのが面白いところだ。
●日産・NV200バネットバン
じつは現在の日産のラインアップのなかでMTの設定があるのはスポーツモデルと商用車のみ。なんとも割り切った設定となっている。そんななかで意外にも乗って楽しめるMTモデルというとNV200バネットバンだ。欧州での販売をメインに設計されたNV200バネットは、まるでルノー・カングーのような雰囲気をもつ。それもそのはず、欧州でカングーのバッヂエンジニアリングとして販売されていたキュビスターの後継車種なのだ。
●ホンダ・フィット
ホンダのMTと言えば、シビックやCR-Xの印象がいまだに強く、ホットハッチのイメージが強いだろう。そこでフィットのMTと言うと「RS」が真っ先に頭に浮かぶはず。しかし、フィットにはほかにもMTの設定があるのだ。それは1.3G Fパッケージ。排気量は200cc小さくなり、MTもRSの6速に対し5速となるが、RSよりも50kg軽い1トンちょうどの車重や、50万も安い価格など、うまくすればRSをカモるポテンシャルを秘めている……かもしれない。
●ダイハツ・ミラ
ダイハツの乗用モデルとしては一番長い歴史を誇るミラ。過去にはミラターボTR-XXやミラX4Rなど、過激なスポーツモデルも存在していたが現行モデルではすっかりおとなしくなり、ターボモデルもモデル途中で廃止の憂き目に。そして2011年に燃費に優れたミライースが登場すると、スタンダードなミラは完全に日陰の存在になってしまい、2013年になんとミラはMT専用モデルへと変貌を遂げたのだ。といっても特別な装備が追加されたわけでもなく、グレードも1つだけ(2WDと4WDは選べるが)と思いっきり縮小なのだが……。
今回はMTモデルを紹介したが、MTとATどちらが優れているなどという話をするつもりはないのであしからず。MTにはMTの美点が、ATにはATの美点があるということを理解した上でカーライフを楽しんでいただきたい。