追い越しは法律で定義されている
高速道路で遅いクルマに追いついた。急いでいるからさっさとパスしたい。さて、ここで行なうのは、追い越しと追い抜きのどっち? 言葉の響きからすると同じで、気分で使い分けているだけのような気もしてくるけど、もちろん違いはある。
わかりやすいのは追い越しで、高速道路の「追い越し車線」を思い浮かべてほしい。「走行車線」を走っていて前走車に追いついた際に、車線変更をして「追い越し車線」を走って抜いく。そしてまた「走行車線」に戻る。つまりこの一連の操作が追い越しだ。
簡単にいってしまえば、進路を変えて向かって右側を通ってパスするのが、追い越しとなる。これは法律にも定められていて、具体的には追い越しの定義は「道路交通法第2条」。方法についても「道路交通法第28条」で定めている。ここには例外も定められていて、右折車を追い越す場合は、左側を通らなくてはならないとある。当たり前だけど。
一方の追い抜きは別の車線でそのまま隣りのクルマを抜いていくことで、これはとくに法律では定められていない。運転操作からすれば、ハンドルを切らないのが追い抜きで、操作が必要なのが追い越しと区別することもできる。
ちなみに日本では追い抜きは左側でしても違反にはならないことが多いが、欧州の一部では、左からすると違反になってしまうことがある。
つまり3車線の一番端の走行車線を走っていて、真ん中にさらに遅いクルマがいる場合は、そのまま追い抜いてはダメなのだ。わざわざ、追い越し車線まで車線変更をしなくてはならず、渋滞の原因になったりすることもあるようだ。