藤野選手が中村選手との同チーム対決を制す!
2016シーズンのドリフトマッスル第3戦は、7月最初の週末となる2日(土)~3日(日)、スポーツランドSUGO西コースで開催された。梅雨時期の開催ということで、2日は終日曇り空、3日も朝方は降水確率100%という天気予報であった。
スケジュールは、2日がマッスルクラス予選および決勝追走トーナメント、3日はスーパーマッスルクラス予選および決勝追走トーナメント、そして入門者クラスのマッスルチャレンジ決勝(単走)が行なわれた。東北地域での数少ないドリフトイベントということもあって、天候に不安があったものの早朝から多くの観客が詰め掛けた。
コースは、スポーツランドSUGOで、レーシングカートなどにも使われている西コース。コースの最終コーナーから6コーナーまでを使う。高速コーナーだけでなくヘアピンコーナー(4コーナー)もあること、さらに追走ではこのヘアピンコーナーへのライン取りも審査の対象となるため、非常に見どころの多いコースだ。
2日に行なわれたマッスルクラスでは、浜田 大選手(#103 小稲葉ガレージ S15)が開幕3連勝。追走トーナメントで、ランキング2・3番手につける齋藤 航、波紫聖和両選手ともがベスト16で敗退したこともあり、準決勝、決勝としり上がりに調子を上げていっての余裕の勝利となった。「(パーフェクトウインに向けて)走りこんでいないので、間瀬(第4戦開催の日本海間瀬サーキット)へ走り込みに行きたい」と浜田選手はコメントしてくれた。
そして、3日に決勝を迎える今回のスーパーマッスルクラスへは、三木竜二選手(#77 EXEDY R Magic ピンク6号)をはじめ、地元東北勢が多数スポット参戦。計26台が参戦することとなった。
日曜日の天候は予報通り。朝の練習走行時には雨が激しくなり、コースは完全にウエットとなった。すぐに雨は上がることなく、チャレンジクラスの決勝ではそのウエットの状態で開催。雨は小康状態だったが、スーパーマッスルの予選セッションで再び雨が激しくなる。もちろん路面はウエットのまま、スリッピーな状態。
そんな路面状況がつかみにくい状況で、Aグループはもちろん、ポイントランカーのBグループともに1本目で失敗する選手が続出。それでも、復活した河野詩音選手(#56 WISTERIA180sx)、そして、「雨の平岡」の異名をとる平岡英郎選手(#5 PS13)、そしてドリフト侍選手(#9 BN GRID TSP FD)といった選手らが、走りをまとめてきた。一方、今回ドリフトマッスルに殴り込みをかけてきた三木選手、そしてドリフトマッスル選手会会長の岡村和義選手といった面々が、16台の決勝追走トーナメントへ進出できないという波乱のスタートとなった。
お昼の時間を挟み、イベントを開催している間に雨はあがり、コースの路面も急速に乾いていく。午後2時過ぎには、ライン上はドライとなるまで回復。その後も急速に天候は回復していき、陽も射すほどの好天となった。
決勝追走トーナメントは午後2時40分にスタートとなった。この日の決勝トーナメントでは、予選をトップで通過したドリフト侍選手が平山 敦選手(#823 REAL FAST シルビア)に接触して敗退、そのあおりを食らった平山選手は足まわりを壊して進出できず、という波乱もあった。
予選2番手だった河野選手を下したのは、この日もっとも熱い走りを見せてくれた中村大介選手(#79 中村屋 S15)。ベスト8で河野選手からサドンデスに持ち込まれつつもこれを下し、さらに1ポイント差でランキングが一つ上となる4位の神谷幸助選手も下して決勝戦まで登り詰めた。
決勝戦では、同チームの藤野選手との戦いに敗れたものの2位でフィニッシュ。レース後、中村選手は「今のドリフトでは車速と角度が重要ということで、またマッスルに挑戦しに戻ってきたんですが、ずっと土屋さんに遅いとダメだしされてました。今回はエンジン、そしてターボも替えてきましたし、いつも気持ちで負けてしまっていたところがあったので、絶対に勝つという気合いでやってきました。次以降もこの気持ちで続けていきます」とコメントしてくれた。
優勝は、藤野秀之選手(#1 WISTERIA シルビア)。今回、菅生に関しては特別な思い入れがあるということで、藤野選手は「自分の優勝はもちろん、トーナメントのブロック分けもできたのでチームで1-2-3を獲ろうと決めていました(残念ながら1-2で終わってしまったが)。今回の優勝で、ポイントランキングでも後ろを少し引き離すことができました。これをひっくり返されないように気を抜かずに残りもぶっちぎっていこうと思います」と話している。
イベントも盛りだくさんとなっている。恒例のスーパーマッスルクラスのマシンの同乗走行、そして土屋圭市さんとドライバーのトークショー、ドライ バーサイン会も開催。さらに恒例のライフガードの無料配布も行なわれた。また今回は、フェデラルジャパンの地元開催ということで、スーパーマッスルからチャレンジ全クラスまでフェデラルタイヤの賞品提供も行なわれ、会場にはフェデラル・ギャルも登場した。
ドリフトマッスル2016は、シーズンも折り返し、続く9月10日(土)・11日(日)に第4戦(日本海間瀬サーキット)、そして11月5日(土)・6日(日)に最終戦(日光サーキット)で今シーズンの勝者が決まる。
(写真:青山義明)