少子高齢化の日本市場を睨みブランド力を強化
かつてのマツダ車といえば競合他車に対して値引きで勝負するというイメージが強かった。しかし、SKYACTIVテクノロジーを採用して以降のマツダ車は、指名買いを受けるだけの存在感を示している。つまり究極的にはワンプライスで売れるような、値引きに頼らないロイヤリティのあるブランド力を身につけようとしているのであろう。
そうなれば、1台あたりの利益率が向上するので、台数を追いかける必要はなくなる。今、日本の市場は世界に先がけて少子高齢化が進んでいる。過去にはマツダと深い関係にあったフォード(ジャパン)が日本からの撤退を決めたように、この市場には規模が拡大するという希望が持てない。であれば、薄利多売というスタイルは早晩成立しなくなるのは自明。
マツダのディーラー改革は、そうした市場変化に対応して生き残るための一環であることは間違いない。とはいえそうした変革が可能なのも、魅力ある商品を用意できてこそである。そして、どんなに魅力ある商品であっても、ライバルの進化でアドバンテージは削られていくものだ。
ブランド戦略に長けていても、商品が飽きられてしまってはナンセンス。結局は商品力である。果たして、マツダ車がどのように進化していくかが、ディーラー改革のカギを握るといえそうだ。