スポーツモデル以外は重要さが薄れている
しかしタコメーターのないマニュアルトランスミッション車でも、エンジン音やパワーの出方から何となく運転できる。さらに現在のオートマチックトランスミッション車ならば、オーバーレブの可能性がある時は電気的にギヤが落ちず、オーバーレブすることはない。これらを考えると、少なくとも一般的なオートマチックトランスミッション車を普通に乗っている限り、タコメーターは不要ともいえる。
つまり、エンジンの性能を目一杯引き出すためにエンジン回転数を把握したいスポーツモデルにはタコメーターが必須としても、一般的なオートマチックトランスミッション車であればファッションに近い、なくてもいいパーツともいえる。
それだけに軽自動車では、タコメーターが他の情報との切り替え式で、かつ小さなバータイプなので本当に大雑把なエンジン回転数しかわからないというクルマもある。これは、クルマによってはそれだけタコメーターの必要性は薄れていることの象徴だろう。
ちなみにトヨタとレクサスのハイブリッドカーの多くにタコメーターがない、もしくはデフォルトでは表示されないのは、EV走行でエンジンが止まったり、エンジンを駆動と発電の両方に使うため、アクセル操作とエンジン回転数が無関係に近いことも多く、タコメーターがあっても動きが煩雑、あっても煩わしいためである。
しかしクルマ好きであれば「必要性は薄くても、エンジン回転数を把握したい。ファッションのためでもタコメーターが欲しい」という気持ちも分かる。そんな人がタコメーターのないクルマに乗っているなら、サードパーティーのパーツを後付けすることが可能だ。ここ10年くらいで登場したクルマならOBD2(自己診断装置)から車両情報が取れるのでOBD2に対応しているタコメーターであればカプラーオンで装着可能、そういったスマホのアプリもある。