リヤゲートを跳ね上げ式扉=ハッチに見立てたのがハッチバック
自動車のボディ形状はさまざまであることは言うまでもないが、似たような形状でも呼び名が違うものがあり、クルマ初心者の混乱の種となっている。例えばハッチバックという呼び名があるが、これはリヤゲートを船などに使用される跳ね上げ式扉=ハッチに見立てたことからついた呼び名。
つまり、跳ね上げ式リヤゲートを持つクルマはハッチバックと呼んでも問題ないということになるのだが、明確な基準がないことで混乱に拍車をかけてしまっている。
例えば、跳ね上げ式リヤゲートを持つトヨタ・プリウス。これは形状的には5ドアハッチバックと呼んでも問題ないと思われるが、トヨタの公式サイトでは「セダン」に分類されている。
また、クーペスタイルを持ちながらプリウス同様の跳ね上げ式リヤゲートも併せ持つBMW・3シリーズグランツ―リスモも公式サイトではハッチバックに分類されていないのだ(ハッチバックに分類されているのは1シリーズのみ)。このことから「ハッチバック車」と呼ばれるクルマはある程度コンパクトなボディサイズかつ、跳ね上げ式リヤゲートを持つクルマ、と言えるのかもしれない。
では、同じく跳ね上げ式リヤゲートを持つが「ステーションワゴン」と呼ばれる車種は何が違うのだろうか? こちらはワゴン=荷台という意味からも、ハッチバックを持つクルマの中でも荷物を積むことに重きを置いた車種と考えるのが妥当である。
一般的にハッチバック車と呼ばれるクルマに比べボディの後端が長く、荷室スペースを広く取っているのが特徴となる。ただ、なかには5ドアハッチバック車と同程度の荷室ながらワゴンを名乗る車種も存在するため、積載能力を重視する場合は必ず実車を確認することをオススメしたい。