燃費に対する効果は市販車レベルではわずか
つまり、車高ダウンで前面投影面積が小さくなれば空気抵抗軽減につながるというわけだ。とはいえ、乗用車の車高ダウン程度で期待できる改善代というのはわずかであり、それが目に見えてわかるほどの燃費改善につながるというのは考えづらい。
むしろ、高速巡行に限って言えば、車高ダウンよりも巡航速度を下げたほうが燃費への効果は期待できる。コストもかからない手法である。
コストを無視すれば、ホンダの軽自動車「N-BOX」の派生モデルとして「N-BOXスラッシュ」が出たように、ボディをカットする”チョップトップ”といった大掛かりなモディファイもなくはない。こうすれば、圧倒的に前面投影面積を低減することができる。とはいえ、燃費を改善するためにチョップトップ化してしまうのは現実的な話ではないだろう。
また、車高ダウンのようなモディファイをするケースでは、タイヤを太くしたり、グリップを高めるチューンナップを同時に施すことが多いだろう。そうするとタイヤ由来の走行抵抗が増えてしまうので燃費的にはマイナス要素。実際問題、車高ダウンで燃費が良くなるケースというのは、ほとんどないといえそうだ。