段差を乗り越えても不快な突き上げがない
富士スピードウェイの構内路は、一般的な公道に比べて路面の表面がキレイで普通に走っていると路面からの入力が少ない。そこで、あえてマンホールを踏んだり、排水溝のフタを横切るなど、入力を作ってみた。
見事! としかいいようがない。決してストロークが少ないわけではないが、ダンパーが効いてスグに収束する。底を打ちそうな大きな段差を結構なスピードで乗り越えても、ギュッと足まわりで吸収し、乗員に不快な突き上げが入ってこないのだ。
驚いたのは、そうしたギャップを乗り越えた際の音も上質だったこと。レヴォーグの静粛性は車格から考えれば十分だが、もっと上のクラスで静粛性が高いクルマもある。しかしギャップを乗り越えた際の足まわりからの音に関しては、静粛性が一段階上になったと感じられるほど、質感の高いものだった。
さらに特筆すべきは、コーナリング中に車体がロールした状態でギャップや段差を乗り越えても、姿勢の乱れが少なく動きに一貫性があることだ。これは上質さだけでなく、ドライバーに安心感をもたらしてくれる。このあたりは専用チューニングが施されたビルシュタイン社製ダンパーが効いているのだろう。
レヴォーグSTI Sportは、1.6リッター、2リッター共に設定がある。両エンジンとも試乗したが、ハンドリングや足まわりの特性に、個体差とみられる微少な違い以外は差は感じられなかった。もちろん動力性能でいえば2リッターが上まわる。ただし大人の男性3人乗車まで試した結果でいえば、普通に乗る限り1.6リッターで不足はない。