【今さら聞けない】なぜクルマにはアルミがもてはやされるのか (2/2ページ)

単に鉄をアルミに置き換えれば済むわけではない

 ところでアルミが鉄に対して軽量というイメージは、ある種の誤解も含まれている。たしかに比重でいうとアルミが2.7に対して鉄は7.8(合金の種類によって変わるので、あくまでもイメージとしておきたい)ので、同じ容積でいえば1/3の重量で済む。

 しかし、弾性率もアルミは鉄の1/3程度であり、比剛性でいうと同レベル。単に素材を置換しただけで軽くなるというほど美味い話ではない。現実的にはアルミという素材の特性を生かした形状にすることで軽量化を実現している。また、強度ではアルミが有利。

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 クラッシャブルゾーンなど変形させて衝撃を吸収させることを前提とした部位をアルミにするのは軽量化につながりやすい。エンジンフードをアルミ製とするのは、まさにこうした特性からぴったりの材料置換といえる。

 つまり、オールアルミだから軽いというわけではなく、アルミの得意なところ、スチールの得意なところを上手に組み合わせたハイブリッドボディがトータルで軽量に仕上がるというのが現在のトレンド。そのためには、アルミと鉄の接着といった技術革新も必要だったわけだが、いまや多くの車種でそれが実現されている。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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