ホンダエンジン搭載のプロトモデルがトップタイムをマーク!
1916年にスタートし、94回を数えるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(パイクスピーク)。インディ500(インディアナポリス500マイルレース)に次ぐ長い歴史を持つ有名なヒルクライムレースである。毎年のアメリカ独立記念日前後にアメリカ・コロラド州パイクスピークで開催され、2016年は6月26日が決勝日となる。
6月22日は、パイクスピークでの練習走行2日目。この日からボトムセクションでは予選が行なわれるため、練習走行兼予選日となる。
この日の各セクションの割り振りは、ボトムセクションが4輪のアンリミテッドクラスとタイムアタック1クラス。ミドルセクションは2輪部門、アッパーセクションは4輪のアンリミテッド&タイムアタック1クラス以外となる。
ボトムセクションでは3回の走行が行なわれたが、その3回目の走行で、3分34秒552というタイムが出された。その車両は、ホンダK20エンジンを搭載したノルマ社のプロトタイプカー「#30 Norma M20 RD LIMITED」。ドライバーは、ロメイン・デュマ選手だ。
ロメイン・デュマ選手といえば、耐久レースで優勝を重ねているベテランドライバー(日本でもGT選手権に出場経験がある)。6月19日に決勝が行なわれた2016年ル・マン24時間レースに、ポルシェのワークスドライバーとして#2 PORSCHE 919 HYBRIDで参戦したドライバーの一人。2010年(当時はアウディ)に次ぐ自身2度目の総合優勝を果たした人物である。
パイクスピークには2012年に初参戦。ポルシェ911GT3Rでオープンクラス優勝(9分46秒181/総合2位)を獲得し、ルーキー賞も受賞。2013年はノルマM20 PPというマシンで参戦するもリタイア。しかし、2014年は、Norma M20 RD LIMITEDで参戦、9分5秒081というトップタイムで総合優勝している。
デュマ選手が乗っているNorma M20 RD LIMITEDは、車両名こそ2014年時と変わらないが、2014年のモデルからは大幅に進化を果たしていた。軽量化が進んでおり、さらには4駆システムを搭載したことでよりパワフルなモデルになっているという。外観は2年前とあまり変わってはいないものの、シャシーから違っており、2014年モデルから継続して使用しているのはリアウイングだけだという。HPDが手掛けるエンジンも、ターボを改良進化させているという。
ちなみに、前日のボトムセクションでトップタイム(3分42秒932)を出したリース・ミレン選手は「ボトムでのセッティングはまだ決まってはいない。決まれば2-3秒はタイムアップできる」とコメントしてくれたが、デュマ選手のタイムには及びそうにない。
(写真:青山義明)