●なぜターボは廃れたのに、最近増えているのか?
日本車初のターボ車は79年登場の430型セドリック&グロリアの2ℓ直6である。年号が昭和だった時代は、「排気量が2000㏄以上になるのを含め、3ナンバー車は自動車税が5ナンバーの倍掛かる」という特殊な事情があった。
そのため小さな排気量で大きな排気量並の動力性能を得られるターボ車、430型セドリック&グロリアでは2ℓターボと2.8ℓNAのエンジンスペックは非常に近く、「5ナンバーで3ナンバーの大排気量車並みの動力性能を得られる」2ℓターボは大きな存在意義があった。
そしてターボ車は3ナンバー車の自動車税の高さ(年号が平成になると改正されるが)、日本の自動車業界自体が上り坂でスポーツモデル≒ハイパワー車の需要の拡大、昔は燃費がそれほど重要視されなかったといった時代背景もあり90年代初めを頂点に増え続けた。
ちなみに430型セドリック&グロリアターボが登場した当時は排ガス規制の強化やオイルショックといった背景もあり、パワーのあるターボ車の認可(自動車メーカーが販売するための許可)を渋る運輸省に対する日産の主張は「ターボ車は排気ガスの流れを再利用し、小さな排気量で大排気量車並みのパワーが出るので低燃費につながる」というものだった。ターボ車の歴史を振り返ると現在であればかなり的を射ているが、過程を考えると微妙に感じるところもある。
その微妙なところがターボ車の弱点やデメリットで、時代が2000年代になると大パワーを必要するスポーツモデルの激減や、パワーよりも燃費を重視される時代になったことなどで必要性が薄れ、排気量が660㏄と限られている軽乗用車を除くと、ターボ車はめっきり減ってしまった。
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