●3ナンバー車にデメリットとは?
まず金銭面。自動車税が主となるが、これは排気量によって区分されているので、今では当たり前になっている「全幅が1700㎜以上なので3ナンバー」というクルマの場合、エンジンが2000㏄以下なら(こういったクルマも最近非常に多い)、自動車税は小型車の範囲なので不公平感のある負担はない。
ちなみに昭和の頃は、排気量が2000㏄でボディが大きいだけの3ナンバー車でも、自動車税が2000㏄の5ナンバー車のおおよそ倍額であった。それが平成元年度に自動車税が排気量に応じたものに改正されて以降3ナンバー車に対する敷居は劇的に低くなった。
これも余談になるが、ノンターボエンジンで2500から3000㏄が適正排気量の、昭和のクラウンやセドリック&グロリア、マークⅡやローレルといった日本の高級車は、2000㏄の6気筒エンジンにターボなど過給機を付けた、今でいうガラパゴス的なクルマが多数あった。
これはボディが5ナンバーサイズのため、自動車税を安くする目的で、排気量を2000㏄までに抑えつつ大排気量車に近い動力性能を確保するという目的だった。
そんなモデルも平成元年の自動車税改正以降は大排気量車に姿を変え、「自動車税が高い3ナンバー車は中古車市場で需要が少なく安いから、処分する時も安い」ということもなくなった。
なお、現在新車は買えないロータリーエンジン搭載車の自動車税は、実際の排気量×1.5倍で計算される。そのため実際の総排気量がおおよそ1300㏄となる2ローターのRX-7やRX-8の自動車税は2000㏄相当、実際の排気量がおおよそ2000㏄の3ローターを積んでいたユーノスコスモの自動車税は3000㏄相当となる。
現在の3ナンバー車には、自動車税を含めた金銭面で納得できないような負担はなく、「3ナンバー車お断り」という駐車場もほぼなくなっている。そう考えると、3ナンバー車最大のデメリットとして考えられるのはボディサイズの大きさによる運転や取り回しのしにくさだろう。
しかし、あまりにもボディサイズが大きいクルマは別にするとしても、取り回しのしやすい、しにくいには視界を含めた車両感覚のつかみやすさ、ミラーtoミラーと呼ばれるドアミラーの幅まで含んだ実質的な全幅、タイヤの切れ角(タイヤの切れ角は全幅の広い3ナンバー車の方が大きいケースもある)といった要素も大きく関連する。
つまり、大雑把に言って全長が小型車枠の4700㎜以下、全幅が1800㎜以下のクルマであれば3ナンバーでも取り回しがしにくいとも限らない。クルマによって異なる、といえる。
とはいっても、クルマが大きくなったからといって道幅が広くなっていない日本の道路環境や、駐車場に代表されるインフラが5ナンバー車を基本に作られている点を考えると、日本ではやはり5ナンバー車のほうが、気遣いを強いられず乗れるというのも事実ではある。
海外販売も考えなければならないなどいろいろな事情があるのもわかるが、日本の自動車メーカーには、5ナンバー車の良さにも目を向けてもらい、ボディサイズの拡大は慎重に考えて欲しいところだ。