お店にいかずに使えるためレンタカーより手軽
カーシェアリングとは、レンタカーよりも手軽に簡単に使えるのがメリットだ。店に出向く必要がなく、スマホやPCを使ってネット上で予約するなどして、あとはクルマのある所へ直接行けば使える。施鍵解錠は携帯電話やICカードでOK。使った時間分だけ料金を払うというシステムは実にスマート。クルマを持つことが難しい都市部を中心に2009年頃から本格的にスタートした。
現在、業界には多くのメーカーが参入するが大手と呼ばれるのは「タイムズカープラス」「オリックスカーシェア」「カレコカーシェアリングクラブ」の3社(母体はレンタカー会社、コインパーキング事業)。
すでに3社の会員数は合計で80万人に迫り、一部のレンタカー会社が対抗策として短時間貸しを始めるなど、普及は徐々にだが加速しているようだ。そのような流れを受けて実は自動車メーカー系のカーシェアリングも増えている。トヨタ、日産は系列会社であるトヨタレンタカー、日産レンタカー(リーフのみ)の一部でカーシェアリングを拡大。
ホンダに至っては新たにカーシェアリング会社「スムーズカーシェア」を設立。現在は東京都内のみだが、今後は政令指定都市を中心に拡大していくこと検討するなど本腰を入れ始めている。メーカーの考えとしては、カーシェアが増えることで新車販売が低下するのではなく、クルマをもたない層に気軽に乗ってもらう機会を作ることで、クルマの楽しさを肌で感じてもらい、新車販売拡大に繋げていきたいということなのだろう。
そのためか、入会金、月会費が無料であり、既存のカーシェアリング会社よりも負担が少なく、利用しやすいのが安いのが魅力だが、利用時間が時間単位で、使った分だけ払うという利便性、経済面では不利。どちらかというとメーカー系はレンタカーの発展型という印象で、賢く使うにはしっかり比較することが必要だ。
ただ、こうした自動車メーカーの参入は既存のカーシェア会社にとっては脅威であることは間違いない。すでに一部のカーシェアでは月会費を1年間無料化するなど手を打ち始めているのだ。レンタカー業界では多くのメーカーが競合し、低価格競争が進んでいるように、今後はカーシェアリング業界でも一般化するとともに低価格化が進むと予想。
これはわれわれユーザーにはメリット大だ。また、カーシェアリングがより手軽になることで、クルマ趣味を楽しむこともできそうだ。普段の移動や荷物の運搬などはカーシェアを使い、趣味性の高いクルマを買って、週末に楽しむ。カーシェアの一般化はクルマ趣味人を増やす可能性も秘めているといえる。