出力が重要視されるのはクルマのパフォーマンスに直結するから
なお、エネルギーと出力の関係は以下の式で表現される。W=J/S (W:ワット、J:ジュール、S:秒)クルマのスペックにおいて出力が重要な理由は、パワートレインの出力というのは、すなわち加速度を一定に保つことができる性能を示すものであり、クルマのパフォーマンスに直結するからだ。
ちなみに、日本では1馬力は735.5Wと定義されている。1ジュールは102.0グラムの物体を1m持ち上げるエネルギーを示す単位だから、さきほどの式に当てはめると1馬力というのは約75kgの物体を1秒間に1m持ち上げる仕事率ということになる。たとえば75kgのバーベルと1秒間かけて1m持ち上げるのが1馬力、これであれば鍛えている成人であれば1馬力を出せるという人も少なからずいることだろう。
馬力というと、馬の出せる最大能力のようなイメージもあるかもしれないが、そういうわけではない。なお1馬力=735.5Wを逆に計算すると、1kWは1.36馬力に相当することになる。カタログ値でkW表示しかない場合は、これを係数として利用するか、およそ3割増し強の数字をイメージすれば、使い慣れた馬力に換算してイメージしやすい。