ターボの完成度が高すぎるので最初はハイブリッドのみを発売か
2008年に登場したフリードは「最高にちょうどいいホンダ」のキャッチコピーの通り、コンパクトサイズながら3列乗車を可能にするパッケージングなどが高い評価を受け、コンパクトミニバンの中心的存在となった。本来なら2015年中にフルモデルチェンジを行う予定だったが、フィットを発端とする品質問題ですべての車種にて開発の見直しが行われ、投入計画に大きく遅れが……。
その間、12年ぶりにシエンタがフルモデルチェンジ。攻めのデザイン、パッケージング改革、ハイブリッドモデルの投入なども相まってバックオーダーを抱えるほどの大ヒットとなり、コンパクトミニバンの勢力図を大きく変えてしまった。そんな状況をただ指をくわえて見ているだけ……と言うホンダの販売サイドから、「早く何とかして欲しい!!」と言う悲痛の声も多数聞いていた。
そんななか、東京都内で次期フリードと思われるテストカーを捕獲した。都内の道路を唐草模様の偽装で走っていれば目立つのは当然で、恐らく開発テストと言うよりはティザーと考えるのが順当だろう。
エクステリアは基本的にキープコンセプトだが、フロントマスクは兄貴分のオデッセイやステップワゴンと共通イメージとなるアグレッシブな新ホンダフェイスとなっている。サイドは特徴的なキャラクターライン、リヤは横型のコンビランプやバンパーサイドに配置されたフィンなど、シンプルながらも抑揚のあるデザイン処理になっている。パッと見た感じでボディサイズは現行モデルと大きく変わらないようだが、ジェイドで採用された超薄型燃料タンクの採用などにより、室内空間が拡大しているのは間違いないだろう。ちなみにチラッと見えたメーターまわりは、ステップワゴンのようなデジタル表示のようだ。
パワートレインは、デビュー時はフィット/シャトルと同じ1.5リッター自然吸気(NA)+DCTの「スポーツハイブリッドi-DCD」のみ設定で、VTECターボ第3弾となる3気筒の1リッターターボ(130ps/200N・m)は遅れて登場の予定のようだ。あるホンダの関係者によれば「開発の遅れではなく、1リッターターボのパフォーマンスと燃費のバランスが良すぎるため、同時に出すとハイブリッドモデルが霞んでしまうから……」と、販売上の戦略なんだとか!?
全方位で大きくレベルアップした2代目「最高にちょうどいいホンダ」は、現在「1人勝ち」状態のシエンタに一矢報いることができるだろうか? 正式発表は8月末、まもなくティザーサイトも開設されるはずだ。